日常も感想もイラストもなんでも綴る、まったりブログ
今日は久しぶりに日記で小説を書いてみたんですよ。
でも今週のマガ感想からヒントを得たものなので、新鮮なマガバレです。
コミックス派の方はこの辺で戻られた方が無難かと。「バッチ恋!」な方のみどうぞー。
*****
夜の闇が辺りに満ち、その中を月光が照らしている刻。
黒鋼は銀竜を手にしながら月を眺めていた。
明日はついにこの日本国を発ち、敵であり全ての黒幕であるものの元へ戦いに出る。
その為に主である知世姫から銀竜を譲り受けた。
部屋の外から気配を感じ、目配せをしてもなかなか入ってこなかったので「何だ」と一言呟いた。
襖を開けて音もなく入ってきたのは金髪の魔術師だった。今は瞳も金色に変わり、その容貌はまるで猫のような気さえした。
「…」
「…ああ、そうだったな」
そう黒鋼が呟くと、手元に置いてあった銀竜で右腕を浅く斬った。腕からは真紅の血が傷口から珠を作り膨らんでいく。
そっとファイが近づくと、傷口に唇を添えて血を飲み始めた。
その動作は一つ一つが静止画のようにゆっくりとしていた。
舌を這わす感覚も、血を嚥下する音も。
何か違和感を感じた。
「…おい」
「なに」
「何考えてやがる」
「…」
唇を離す事無く返事をするファイ。顔は俯いていて表情を伺うこともできなかった。
しばらくしてファイが頭を上げた。傷口はもう血が止まっていた。
それを隠すかのように服の袖を元に戻したファイは、未だに俯いたまま。
黒鋼から何か言おうかと口を開いたが、その前にファイが言葉を発した。
「明日だね、ついに」
「ああ」
「…がんばろうね」
「…、ああ」
ファイは未だに顔を上げようとしない。声色だって、まるで本当に頑張ろうと思ってるのかと疑ってしまうほどに沈んでいた。
ファイには帰る場所がなくなってしまった。
生まれ故郷のヴァレリアも、育ったセレスすらも。
これから、なんて言葉はファイには無かった。もう疲れていた。誰かに何かを強いられて生きていくこの人生が。
この戦いで全てを終わりにしようと思っていた。自分の人生と、彼らとの旅も。
楽しかった日々は自分の人生からしたら凄く短かった。でもそれでも、出会えて嬉しかったと。
伝えたい言葉はあったけど、それが空気に乗る事は無かった。
――伝えたら、別れが惜しくなるでしょう?
最後に、サクラと小狼を幸せにしてあげたい、それだけの想いで向かうこの戦い。終われば自分も皆とさようならをしなければならない。
出会ってくれてありがとう、永い時を待っていて良かった。幸せの意味を教えてくれてありがとう…くろさま。
服の裾を小さく握り締めるファイは、小刻みに震えていた。
黒鋼は一つため息を吐くと、義手をファイに伸ばした。
ふ、と黒鋼の胸に収まるファイの身体は、義手できつく抱き締められた。
ファイは驚いた表情をしたが、すぐに瞳を閉じた。
そして、その広い身体に身体を預けた。
もう少し、もう少しだけ。
さようならを言う前に、この温もりを覚えさせて。
それくらいの我侭は聞いてくれるでしょう?
*****
こうならないで欲しい捏造。(?)
小狼にはサクラを助けに行く、黒鋼には敵討ちっていう理由があって戦地に赴く訳ですけど、ファイさんは?と考えたらどうしても不安な方向へと頭が回ってしまいます。
黒鋼と離れられない身体だしよっしゃあ日本国エンドだ!と私は叫んでいますが、本編でそういう話が出たわけでもないですし…
極端な話、黒鋼が死んだらファイさんも死んじゃうけど、ファイさんが死んでも黒鋼が死ぬわけじゃないっていう血の契約ですよね。あの吸血鬼設定は。
もしかしたらこんな事考えてんじゃなかろうな…と一抹の不安の元書き起こしてみました。こうならなければ良いっていう小説で。
まぁ普通にアゴと対峙して普通に終わると思いますけど。
ラストは予想不可能ですけどね~。
黒鋼と日本国エンド!早く本編でズバっとそう言ってくれないかなぁ。
でも今週のマガ感想からヒントを得たものなので、新鮮なマガバレです。
コミックス派の方はこの辺で戻られた方が無難かと。「バッチ恋!」な方のみどうぞー。
*****
夜の闇が辺りに満ち、その中を月光が照らしている刻。
黒鋼は銀竜を手にしながら月を眺めていた。
明日はついにこの日本国を発ち、敵であり全ての黒幕であるものの元へ戦いに出る。
その為に主である知世姫から銀竜を譲り受けた。
部屋の外から気配を感じ、目配せをしてもなかなか入ってこなかったので「何だ」と一言呟いた。
襖を開けて音もなく入ってきたのは金髪の魔術師だった。今は瞳も金色に変わり、その容貌はまるで猫のような気さえした。
「…」
「…ああ、そうだったな」
そう黒鋼が呟くと、手元に置いてあった銀竜で右腕を浅く斬った。腕からは真紅の血が傷口から珠を作り膨らんでいく。
そっとファイが近づくと、傷口に唇を添えて血を飲み始めた。
その動作は一つ一つが静止画のようにゆっくりとしていた。
舌を這わす感覚も、血を嚥下する音も。
何か違和感を感じた。
「…おい」
「なに」
「何考えてやがる」
「…」
唇を離す事無く返事をするファイ。顔は俯いていて表情を伺うこともできなかった。
しばらくしてファイが頭を上げた。傷口はもう血が止まっていた。
それを隠すかのように服の袖を元に戻したファイは、未だに俯いたまま。
黒鋼から何か言おうかと口を開いたが、その前にファイが言葉を発した。
「明日だね、ついに」
「ああ」
「…がんばろうね」
「…、ああ」
ファイは未だに顔を上げようとしない。声色だって、まるで本当に頑張ろうと思ってるのかと疑ってしまうほどに沈んでいた。
ファイには帰る場所がなくなってしまった。
生まれ故郷のヴァレリアも、育ったセレスすらも。
これから、なんて言葉はファイには無かった。もう疲れていた。誰かに何かを強いられて生きていくこの人生が。
この戦いで全てを終わりにしようと思っていた。自分の人生と、彼らとの旅も。
楽しかった日々は自分の人生からしたら凄く短かった。でもそれでも、出会えて嬉しかったと。
伝えたい言葉はあったけど、それが空気に乗る事は無かった。
――伝えたら、別れが惜しくなるでしょう?
最後に、サクラと小狼を幸せにしてあげたい、それだけの想いで向かうこの戦い。終われば自分も皆とさようならをしなければならない。
出会ってくれてありがとう、永い時を待っていて良かった。幸せの意味を教えてくれてありがとう…くろさま。
服の裾を小さく握り締めるファイは、小刻みに震えていた。
黒鋼は一つため息を吐くと、義手をファイに伸ばした。
ふ、と黒鋼の胸に収まるファイの身体は、義手できつく抱き締められた。
ファイは驚いた表情をしたが、すぐに瞳を閉じた。
そして、その広い身体に身体を預けた。
もう少し、もう少しだけ。
さようならを言う前に、この温もりを覚えさせて。
それくらいの我侭は聞いてくれるでしょう?
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こうならないで欲しい捏造。(?)
小狼にはサクラを助けに行く、黒鋼には敵討ちっていう理由があって戦地に赴く訳ですけど、ファイさんは?と考えたらどうしても不安な方向へと頭が回ってしまいます。
黒鋼と離れられない身体だしよっしゃあ日本国エンドだ!と私は叫んでいますが、本編でそういう話が出たわけでもないですし…
極端な話、黒鋼が死んだらファイさんも死んじゃうけど、ファイさんが死んでも黒鋼が死ぬわけじゃないっていう血の契約ですよね。あの吸血鬼設定は。
もしかしたらこんな事考えてんじゃなかろうな…と一抹の不安の元書き起こしてみました。こうならなければ良いっていう小説で。
まぁ普通にアゴと対峙して普通に終わると思いますけど。
ラストは予想不可能ですけどね~。
黒鋼と日本国エンド!早く本編でズバっとそう言ってくれないかなぁ。
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